寺だより11号 2000/2/22 発行者 蓮照寺推進員協議会 10号


 去年の11月2日〜4日に、本山である京都の真宗本廟で推進員後期教習が行われ、蓮照寺より山本和子、若林信太、織田アキ子、石井セツ代、石井敏朗、井上容子さんが参加され推進員となられました。

 推進員とは、真宗の宗風(ひたすら聞法し、念仏を申す・物忌みをしない)を回復する運動を進めていただく人のことです。

 前期と後期の教習があります。前期は11名が受講しましたが、後期は、家庭・健康の都合で5名の方が参加できませんでした。

 今回、後期教習に参加されました方に、「寺だより」のために原稿を書いていただきました。 (現在推進員は18名です。)


お袈裟

織田 アキ子

 今は亡き姑は私が嫁いで来ました頃、ご本山で「おこぞり」を受けた時の様子をよく話してくれました。その「おこぞり」とは、帰敬式を受けることだと知りました。

 今度、推進員教習会に参加しその帰敬式を私もご本山で受けることになったのです。広い本堂の中は今まで経験したことのない空気が漂っていました。私も他の教区の人々と一緒に座し時には静かに時には力強く湧きあがるように聞こえて来る読経の声に目を閉じながら無事帰敬式を終えました。

 ホッとした気持で宿舎に帰ってきますと係りの方より大きな袋を渡されました。中を開いて見ますと「あなたはこれより仏弟子となり」と書かれた書きものとお袈裟が入っていました。何の心準備も知識もなかった私はドキッといたしました。

 仏弟子となるということはどういうことでしょうか、又本願寺の紋章の入ったお袈裟にはどんな意味があるのでしょうか。真宗門徒としての証なのでしょうかと分からないことばかりでした。

 同行の臼杵の方は朝夕そのお袈裟を離さずに胸にかけています。私もその内あの方のような敬虔な気持になりお袈裟をかけることに何のためらいもなくなる日が来るのでしょうか。

 慌しかった三日間の教習を終え帰る時が来ました。御影堂門より振り返ってみますと広い境内には人々が三々五々と行きかっています。外国の人もゆっくり歩いていれば木陰にはホームレスの人も腰を下ろしています。華やかさはないけれどどっしりと大きな御影堂は誰をも何時でも受けとめてくれそうでした。

 あのお堂の片隅に一人座ってたどたどしくお正信偈などあげてみたいなどと夢のようなことを思いながら東本願寺に別れをつげました。



帰敬式に学ぶ

石井 敏朗

 去る平成11年11月2日より四日迄の三日間、真宗本廟で行われた後期教習受講の機会に恵まれ臼杵組同朋会会員16名と共に参加致しました。二日午前九時半から始まった一連のスケジュールを消化して最後に帰敬式を受式致しました。

 あらためて仏法に接する機縁に恵まれたことに感謝の念をいだき「二度と人間に生まれ変わることの出来ない今の自分」を見つめなおし日々の生活の中に活かせる余生にしたいものだと念じております。

 帰敬式を受式して、法名を名告り仏弟子となったことを一つの節目として又真宗門徒として今ある私の人生のたしかめをしながら毎日の生活を送っていかなければならないと思います。

 私たちの毎日の生活は、ただ忙しい、忙しい、の連続に終始し、なぜ私だけが忙しいのだろうか、と自己中心的な物の考え方のみに集中しているからではないでしょうか?

 自分の思いどおりになるか、ならないかによっていわゆる「自己満足の優越感」に浸り、逆に自分の思いどおりにならないときの「悲観的劣等感」におちいってしまいます。自分自身を省みる余裕すらなく、人間として貴重な生を受けながらただいたずらに日々を空しく過ぎてゆく(空過)人生を送っていることをあらためて感受しました。

 私のいのちの事実を私に教えてくれる「南無阿弥陀仏」の智慧の心に気づき現実を生きぬくための糧としたいものだと願う今日このごろです。

 以下『真宗聖典』より抜粋した教えの言葉です。

1.身独空立 無所復依
  (身独り空しく立ちてまた依るところなし)
                         『仏説無量寿経』

2.不知生所従来死所趣向
  (生じて従来するところ死して趣向する所を知らず)
                         『仏説無量寿経』

3.本願力にあいぬれば むなしくすぐるひとぞなき 功徳の宝海みちみちて 煩悩の濁水へだてなし   『高僧和讃』

4.まことに如来の御恩ということをばさたなくして、われもひとも、よしあしということをのみもうしあえり。  『歎異抄』

5.ただいたずらにあかし、いたずらにくらして、老のしらがとなりはてぬる身のありさまこそかなしけれ。 『御文』



推進員になって

井上 容子

 推進員になったからと何をどう推進していかねばという事は具体的にはわかりませんが、推進員になる為の勉強?については家族の思いやりがあった故に一週間以上かかって勉強したその事を先ず仏に感謝しました。

 推進員になったからには先ず自分を推進の方向に心掛けねばと努力するつもりです。仏様に参る。お寺にも出来るだけお参りして、お経に参加できるよう頑張らねばと思っております。



同朋短歌

一人だに 孫も見ずして 逝きし母
吾は末孫の 成人に遇う

手にとりし 鏡に写る 我が顔の
しわ深くして 祖母によく似る
                    石谷 恵美代

御仏の 立像の足 蓮の上
一歩踏みだし 救いのお姿

恙がなく 此の世の旅路 おえる時
経読みながら 楽に逝きたし
                    佐藤 増枝

万物に 生かされ生きる とう法話
ちぎりては食ぶ 韮さえ愛し

ゆくりなく 温泉に浸りおり 七十歳の
一夜さを子が しつらえし宿に
                    神田 スミエ