• 大分県津久見市にある真宗大谷派の寺院です。

法話を聞く会 02 2021年7月28日

「南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう」 慶讃テーマ

新型コロナウイルスが引き起こす”3つの感染症 【日本赤十字社】
丸山嘉一(日本赤十字社災害医療統括監)

第1の感染症「体の感染症

第2の感染症「心理的感染症
 ウイルスが目に見えないこと、治療法が確立していないことで、私たちは強い「不安や恐れ」を感じ、振り回されてしまうこともあります。不安や恐れは、それぞれの心の中でふくらみ瞬く間に人から人へ伝染していきます。これを心理的感染症と呼びます。
気づく力を弱めます。聴く力を弱めます。自分を支える力を弱めます。

第3の感染症「社会的感染症
 不安や恐怖心は、人間の生き延びようとする本能を刺激し、ウイルスに接触したとみなされる人や対象を、日常生活から遠ざけることがあります。さらに特定の属性の対象に対して「ウイルス」「病気」「ばい菌」といったレッテルを貼る心理によって、差別や偏見はおこります。見えない敵への不安から、特定の対象を見える敵とみなして、嫌悪の対象とし、それを偏見・差別で遠ざけることで、つかの間の安心感を得たいという感情の構造です。人と人との信頼関係や社会の結束が壊されるという面があるため、これを社会的感染症と呼びます。
 嫌悪・偏見・差別は私たちの互いに支え合う力・尊重しあう力を弱め、社会の危機に立ち向かっていく力も弱めます。

法話 中山善雄 教学研究所研究員
テーマ 「信心と大衆心理」

「信心と大衆心理」 中山(なかやま)善(よし)雄(お) 教学研究所研究員

NHK 100分 de 名著 『大衆の反逆』オルテガ・イ・ガセット(スペインの哲学者1883 – 1955)が著した、大衆社会論。

自らの根を失った大衆は、他者の動向にのみ注意を払い、「皆と違う人、皆と同じように考えない人は、排除される危険性にさらされる」『大衆の反逆』

龍樹りゅうじゅ菩薩
歓喜地かんぎじを証して安楽に生ずる(証歓喜地生安楽しょうかんぎじしょうあんらく)」正信偈 赤本16頁
十住毘婆沙論じゅうじゅうびばしゃろん
1.不活の畏れ(生活できなくなることへの畏れ)
2.死の畏れ(自分の存在が死によって消えていくことへの畏れ)
3.悪道の畏れ(悪しき境遇に陥っていくことへの畏れ)
4.大衆威徳の畏れ(大衆から責められることへの畏れ)
5.悪名の畏れ(自分が悪人視されることへの畏れ)
「一切の怖畏ふいは皆、我見より生ず」

我執に立つ限り、全ての関係はこの「私」がより善い評価を得るために利用できるか、できないかという思いではかられてまいります。

 利用する関心しかもてないことの痛ましさに気づき、自分も他者の存在も尊び喜ぶものになってほしいと願いかけています。その如来の大悲の願いが私たちに至り届くことにより、私たちの内に自らの在り方を悲しむ心(信心)が生れます。
 その悲しみにおいて初めて私たちは利用関係を超え、そして善い自分であることを求めて大衆の動向を畏れ流されていくことを超えていくことができるのではないでしょうか。

真宗を戴(いただ)いて展(ひら)かれた世界 
靍見美智子(東京教区西敎寺前坊守・アソカ幼稚園教頭)

真宗=真実を宗(むね)とする教え
真実=時代・国を超えて通用すること
「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」『阿弥陀経』

祖父江 文宏1940-2002

「無用の用」
「天にも地にも われただひとりとして尊し」天上天下唯我独尊

いのち=自己、存在そのもの、無量寿、アミダ
自 分=自我、こころ、エゴ

六道=地獄 餓鬼 畜生 修羅 人 天
自虐的=自分で自分のことをさいなむこと。

いのちは誰のものか
南無阿弥陀仏=ありがとう ごめんなさい