• 大分県津久見市にある真宗大谷派の寺院です。

法話を聞く会05

亡き人のゆくえ ― 真宗門徒の生死観 ―
蒲池がまいけ 勢至せいし氏/2021年8月2日【大谷祖廟(東大谷) 暁天講座】

「暁天」とは夜明けの空のこと。夏の暑さを避けた早朝の澄んだ空気の中で、宗祖親鸞聖人があきらかにされた本願念仏の教えを聴聞する場として開かれています。
大谷祖廟本堂を会場に、毎年、8月1日から8月5日までの5日間、各日毎に講師をお招きして開催しています。

1951年愛知県生まれ。同志社大学文学部文化学科・同朋大学文学部仏教学科卒業・博士(文学)。現在、真宗大谷派長善寺住職・同朋大学特任教授

 我ら生きとし生くるもの、宗務にまぎれて聞法おこたり、快楽におもむいて真実の教法に暗し、しかれども時いたりぬ、いのちつきなば一人去り一人わかれ一人散る、まこと無常迅速にして夢のごとく幻のごとく、長からんと願いし人生も、顧みれば一朝の草露のごとし。 豊原大成『表白集』

 浄土真宗本願寺派の総務を務める豊原大成氏(1930生)は、1995年1月17日の早朝に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で兵庫県西宮市の自坊、西福寺の庫裡と書院が倒壊し、父の大潤氏(元同派総長)、夫人の幸子さん、そして一人娘の真利さんの家族全員を喪った。

命終 臨命終時 命終の時に臨みて

六道珍皇寺 臨済宗 お精霊(しょらい)さん 高野槙 水塔婆

念仏するひとの死にようも、身よりやまいをするひとは、往生のようをもうすべからず。こころよりやまいをするひとは、天魔ともなり、地獄にもおつることにてそうろうべし。こころよりおこるやまいと、身よりおこるやまいとは、かわるべければ、こころよりおこりて死ぬるひとのことを、よくよく御はからいそうろうべし。『親鸞聖人御消息集広本』P573

島尾敏雄『死の棘』

水頭症

紫斑 しはん

必ず、そばにおるよ おまかせしろよ 大丈夫だよ


今生に、いかに、いとおし不便とおもうとも、存知のごとくたすけがたければ、この慈悲始終なし。しかれば、念仏もうすのみぞ、すえとおりたる大慈悲心にてそうろうべきと云々 『歎異抄』P628

念仏にこころざしもなく、仏の御ちかいにもこころざしのおわしまさぬにてそうらえば、念仏せさせたまうことも、その御こころざしにては、順次の往生もかたくやそうろうべからん。『親鸞聖人御消息集広本』P564

信心ありとも、名号をとなえざらんは、詮なくそうろう。また、一向、名号をとなうとも、信心あさくは、往生しがたくそうろう。『末燈鈔』P606-607

易往而無人 往き易くして人なし 『仏説無量寿経 巻下』P57

浄土 苦が解放された世界 自分と苦が解き放たれた世界 自由になった世界

浄土の世界 見ることはできない 色も形もない 
断絶されているわけではない そこからの呼びかけの声

この身はいまはとしきわまりてそうらえば、さだめてさきだちて往生しそうらわんずれば、浄土にてかならずかならずまちまいらせそうろうべし。『末燈鈔』P607

越中八尾(富山市八尾町)聞名寺 「風の盆」法要

人の世や 人の世ながら 人の世ながら オワラ さりながら
姿なく 声も聞けねど 我は待つ 九月三日は オワラ 聞名寺にて

皆様が愛されました民謡おわらでお念仏を唄い上げ、この御法縁の要といたしたいと存じます。すなわち、このお念仏の唄において、私たちは最初の南無の2字に祖先追慕の真心を示し、続く阿弥陀仏の4つの文字に報恩の誠を表しながら、懐かしい先人諸輩がこの唄を通して、常に私たちに寄り添っていて下さることを温かく感じ、今宵一夜を共に楽しまさせていただきつつ、やがてお浄土にて再びお会い出来る喜びの支えとして、一日一日を大切に生き抜くことをお誓い申し上げたいと念ずるのであります。『探訪真宗民俗 ¥1,600』P52

わが身の往生、一定とおぼしめさんひとは、仏の御恩をおぼしめさんに、御報恩のために、御念仏、こころにいれてもうして、世のなか安穏なれ、仏法ひろまれと、おぼしめすべしとぞおぼえそうろう。よくよく御案そうろうべし。『親鸞聖人御消息集広本』P569